重低音と鼓動とトルク――
もっともハーレーらしいエンジン『ショベルヘッド』

1966年~1984年まで採用されたこのエンジンは、
ロッカーアームのカバーがショベル(スコップ)に
似ていることからショベルヘッドと名づけられました。
歴代ハーレーの中でももっともハーレーらしいエンジンと言われ、
トルクフルなエンジンフィーリングと
ハーレーの3拍子が体感できます。
また、ショベルには大きく分けて3つのタイプがあります。
1966年から69年まではアーリーショベル。
発電装置がダイナモからオルタネーターに
変更される以前のモデルのことを指します。
70年から77年までは、1200ccのショベル。
それ以降は1340ccにアップされ、いわゆるハーレーの
ドコドコ感(鼓動)が出るようになったのはこの時期のエンジンです。
ちなみに、69年から80年までハーレーダビッドソン社は、
AMF(アメリカンマシン&ファウンドリー)社の傘下にあり、
72年以降のモデルにはタンクに『AMF』のロゴが入っていました。
「壊れやすい」と言われるショベルですが、
いまだに根強い人気は高くツウ好みのエンジンといえるでしょう。
ハーレーのカスタムショップとして有名なあのサンダンスの柴崎さんも
「ショベルのテイストが一番好きだ」と雑誌で語っているほどです。
人気のカスタムとしては、ショベリジと呼ばれるショベルヘッド搭載の
リジットフレームがあります。
実際に乗っている人に聞くと「振動がすごくて80kmだしたら、
140kmぐらいの体感スピードを味わえる」とのこと。
また「リジットにすると、首都高のつなぎ目部分を走るだけでも
突き上げが酷い」とこぼしてました。
ボク自身、一度だけリジットではないショベルに
乗ったことがあるのですが、振動は確かにすごいです。
そして、スピードはあまりでません。
ただ、ツインカムなどと比べて車体が軽いので扱いやすさは、
ショベルの方が扱いやすいように感じました。
「壊れやすい」と言われていると書いたのですが、
いきつけのバイク屋のエンジニアさんは、
「ちゃんと整備すれば、ショベルもそうそう壊れないですよ」と
自信ありげに言っていました。
色々な意味でハーレーらしいショベルヘッド。
こだわりのハーレー乗りを目指す人には、
ぴったりのエンジンなのではないでしょうか。
伝統を継承しつつ、進化を遂げたエンジンEVO

1984年~1999年まで採用されたのが、
エボリューションというエンジン(1340cc)。
通称「EVO(エボ)」。
ブロックを積み重ねたようなデザインから、
「ブロックヘッド」と呼ばれることもあります。
そんなEVOは、7年間もの開発期間がかけられた
初のコンピューター設計によるもの。
それまでの壊れるというイメージを払拭した
エンジンでした。
実際、軽量で冷却効果の高いアルミ素材をシリンダーに
使うなどエボリューションの名にふさわしい
進化を遂げました。
それにより、耐久性の向上はもちろん、
それまで時速100kmまでが限度だった高速巡航を
時速120km以上でも余裕の走りを可能にしました。
ただ、EVOが登場してしばらくは、それ以前のエンジンに乗る
一部の人たちによるいわゆる「エボバッシング」があったそうです。
おそらく、予想以上に大きく進化(変化)したことがそういった
現象を招いたといえるのではないでしょうか。
個人的には、映画『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』のFXRや
『ターミネーター2』のファットボーイなども、
EVOなので結構好きです!
ハーレーの伝統を継承しつつ大きく進化したエンジン。
それがEVOなのです!
高速性能は断然向上した
ツインカム88

1999年~2006年まで、採用されたツインカム88。
厚みのあるロッカーカバーにちなんでつけられた
『ファットヘッド』という愛称を持っていますが、
なぜか一般的にはほとんど浸透していません…。
ツインカム88とかTC88と呼ばれることがほとんど。
そんなツインカム88は、本国アメリカのフリーウェイ高速化による
「モア・パワー」という要望に応えて造られており、
高速回転型という特徴をもつエンジンです。
空冷4ストロークOHVのVツインという形は、
エヴォリューションエンジンと同じですが、
排気量が1300ccから1450ccにまでアップ!
それまでずっとギア駆動の1本だったカムシャフトを、
チェーン駆動の2本にしています。
そのため、2カム方式という意味でツインカムと呼ばれています。
ちなみに一般的な「ツインカム=DOHC」とは
全く違うので、誤解のないように。
また、ソフテイル専用として、振動を軽減するバランサー付きの
ツインカム88Bも設計されました。
両ツインカム88ともに、高性能で壊れにくいため、
初心者やメカに詳しくない方でも安心して乗れるエンジンだと言えます。
特に「高速巡航型のキャブレター車が欲しい!」という人には
ぴったりなのではないでしょうか!?
歴代最大の排気量を誇る
ツインカム96!

2007年以降、現在までハーレーのビッグツインに
採用されているエンジン。
歴代最大の1584ccの排気量を誇る。
外観的にはツインカム88とほとんど変更がないものの、
内部は101.6mmから111.13mmにまでストローク(高さ)をアップ。
排気量を拡大しつつ、インジェクション化を行っている。
そのため、鼓動感は残しながら、
燃焼効率をよくすることに成功している。
また6速トランスミッションを採用したことで、
より快適な高速巡航が可能となっている。
大排気量で高性能な車両を探している人には、
間違いないエンジンなのではないでしょうか!?